プロパティマネジメント用語集

賃貸借関連の用語

賃貸借面積(契約面積)
賃貸借契約書に記載される面積を契約面積と呼び、賃料や定額共益費を単価で表示しているケースでは乗じた額が総額となる。一般にオフィス専用部分の壁芯計算による面積を契約面積としているケースと、エントランスやエレベータホール及び廊下、トイレなど共用面積を加えたケースがあるので、賃料単価による他ビルとの比較をする際には専用面積ベースで行うと良い。大型ビルでは契約面積=専用面積のケースが多いなど、法的な規則はない。

<1坪:3.305785m²=35.58ft²(スクエアーフィート)・1m²:0.3025坪=10.762ft²>

賃料(賃貸借料)
月額表示で契約書に記載され、一般に起算日はオフィス内装などのテナント工事が開始される日が基本的な考え方。移転の場合、以前に入居していたビルの解約予告期間を考慮し、旧入居ビルとの二重支払いに注意が必要。支払時期は「翌月分を当月末(25日~末日)までに支払う」とした前払い方式が一般的。賃料額は地域やビルグレード・建築経過年数・規模などの需給関係を背景とした近隣相場を重視した価格設定がなされるケースが多い。
共益費(管理費)
一般的には賃料の他に毎月の管理費用としての定額の共益費が契約書に記載されるが、最初から賃料に含まれているケースも少なからずある。一般的に定額に含まれる費用部分と実費による清算が併用されている。冷暖房などの空調費やごみ処理などの日常清掃が定額部分に含まれるケースもある。また、実費部分としては室内の電気使用量や定期清掃費、蛍光管など消耗品交換費などがある。契約条件交渉の際に賃料と定額共益費を合算して「共益費込み賃料」という言葉が使われるが、賃貸借契約書には別々に記載されるケースが多い。
敷金・保証金(預託金)
保証金、敷金といった区別が崩れてきており、いずれにしても賃貸借契約の際に借主が貸主に一定の金額を無利息で預け入れる金銭(預託金)のことで、法律的には賃料の不払いとかテナントの債務を担保する金銭とされている。返還時期は賃貸借契約が終了し、契約書に定められた期間内に返還される。金額は需給関係や地域などにより異なるケースが多い。敷金や保証金の内一定額を「長期プライムレート」などで計算した金額を賃料に加えて支払う「スライド方式」を受け入れるケースがある。
手付金
予約契約時などにおいて、その履行の保証として、賃借人から賃貸人に交付する金銭、解約手付金(借主は差し入れた手付金を放棄し、或いは貸主が受領済の手付金の倍額を返還して、契約などを解除できる手付金)が一般的。

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不動産登記簿関連の用語

表題部
不動産の現状を公示するのが表題部で、土地については所在・地番・地目(土地の現況)・地積(土地の面積)など。建物については所在・地番・家屋番号・種類・構造・床面積などが記載されている。
甲区
所有者に関する事項が記載されている。その所有者は誰で、いつ、どんな原因(売買、相続など)で所有権を取得したかがわかる。(所有権移転登記、所有権に関する仮登記、差押え、仮処分など)。賃貸人と所有者が同一でない場合は、確認が必要。
乙区
抵当権など所有権以外の権利に関する事項が記載されている(抵当権設定、地上権設定、地役権設定など)。
住居表示・地番・家屋番号
昭和37年、「住居表示に関する法律」が制定され、一住居ごとに「○番○号」という表示をするようになった。従って、現在、土地の表示である地番(土地登記簿に登録するために、土地の一筆毎につけた番号)と住居表示が異なることがしばしばある。また家屋番号は、建物の存在を示す番号で、表示登記または所有権の保存登記をした際に、その管轄登記所にて決定する。区分建物の場合は、占有部分毎につけた番号。

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契約・法律関連の用語

契約期間(従来型契約と定期借家契約)
<正当事由制度による従来型の契約のケース>
一般的に2年間の賃貸借期間が契約書に記載されるケースが多いが、欧米のような自由な契約に基づく約束期限(明渡し期日)としての期限ではなく、更新される点が日本の大きな特長といえる。
2年という契約期間が慣習化された背景は、賃借人の意志で事実上契約が更新できる日本の借地借家法の正当事由制度(貸主からは事実上契約終了ができない借地借家法第28条)がオフィスビルなどの事業用建物の賃貸借にも適用されているため、契約更新(事実上形式的ではあるが)期間をできるだけ短くすることで賃料交渉(市場賃料)の機会を2年毎に求めたという説が有力視されている。

<定期借家による契約のケース>

1999年12月借地借家法の一部が改正されて「定期建物賃貸借法」が、2000年3月1日から施行され、正当事由制度との選択性となった。
上記の正当事由制度による契約との違いは、正当事由(借地借家法28条)が排除されたことで契約満了時には一旦契約は終了する。従来の「契約更新」に相当する行為は、当事者の合意による「再契約」となる。また、賃料の増減額について特約(物価指数に基づく賃料改定など)を結んだときに借賃増減額(借地借家法32条)が適用されないなど、欧米型の自由な契約が選択できるようになった。

<1年未満及び20年以上の契約>

定期借家契約によるときは、借地借家法29条(1年未満は期間の定めがない契約とする)が適用除外になり1年未満も可能となった。
正当事由制度によるときは、従来通り借地借家法29条が適用される。
1999年12月の借地借家法の一部改正に併せて、正当事由制度契約及び定期借家契約に拘わらず全ての建物の賃貸借に、民法604条(20年以上の契約は20年に短縮)が適用除外となり、20年以上の契約期間を設定することが可能(2000年3月1日施行)となった。

注意:定期借家法に関して、住宅用途や手続きなどに関するさまざまな制約があるので、専門家に相談することをすすめる。

定期借家法
1999年12月「良質な賃貸住宅等の供給に関する特別措置法」が成立し、借地借家法の一部が改正されて「定期建物賃貸借法」が2000年3月1日から施行された。従来の正当事由制度との選択性となり、また、既存契約には適用されない。定期借家法の骨子は、「新規契約のみ契約内容で定めた期限の到来により確定的に契約が終了する」と「当事者が合意する限り、完全な自由契約とする」とされており、全体像を把握するには、以下に示す7つのポイントがわかりやすい。
  1. 1. 公正証書などの書面(賃貸借契約書も可)による契約が必要
  2. 2. 更新がない旨の書面を交付などこの説明がないときは無効となる(契約書以外の別途様式で必ず賃借人に交付)
  3. 3. 期間満了(終了)の通知(内容証明郵便など)は、1年前から6ヵ月前までにしなければ、契約を終了させることができない。(通知期間経過後は、通知から6ヵ月後に終了する)※1
  4. 4. 1年未満の契約も可能(法第29条の適用除外)
  5. 5. 経過処置として当分の間、住宅用途の賃貸借は、正当事由制度契約からの変更などは一切できない(ただし、オフィスなど住宅以外は合意による解約後、新たに定期借家契約を締結することは可能)
  6. 6. 賃料の改定に関する特約が有効に(法第32条借賃増減額請求権の適用除外)
  7. 7. 200m²未満の住宅(自宅)用途では、転勤、療養、介護などやむを得ない事情によるときは、解約の申し入れから1ヵ月後に終了する。※2

※1 満了後は、再(新規)契約が合意された場合、入居継続が可能(事前に再契約の予約も可能)

※2 上記の住宅以外においては、期間内解約に関する特約を結ぶことで途中解約が可能となる。
(民法第618条:賃貸借契約用語解説6.契約期間中の途中解約参照)

契約期間中の途中解約
期間の定めがある契約(一般に行われている殆どの契約行為)は、民法618条により「途中解約の特約」があるときのみ、契約期間中の解約が可能とされている。一般的には「6ヵ月前の予告」で解約できる条項が盛り込まれているため、「途中解約をする権利」が法的に認められていると誤解されている場合が多い。よって、正当事由制度契約及び定期借家契約に拘わらず、「期間内解約の特約」が記載されていない限り、途中解約はできないことになるので注意が必要。

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取引・手続き関連の用語

宅地建物取引業
宅地・建物の売買、交換、または宅地・建物の売買、交換、賃借の代理、媒介の行為を業として行うこと。この業を営もうとするものは国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなければならない。
宅地建物取引主任者
宅地建物取引主任者とは、宅地建物取引主任者証の交付を受けた者をいう。宅地建物取引主任者になるためには、都道府県知事が行う宅地建物取引主任者資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受け、さらに宅地建物取引主任者証の交付を受けなければならない。登録は、宅地・建物取引に関し2年以上の実務経験を有する者、または、建設大臣がその実務の経験を有する者と同等以上の能力を有すると認めた者とされている。
重要事項説明
仲介サービス会社などは、宅地建物取引に際し、売買、交換、賃貸借の契約を締結する前に、宅建主任者に土地・建物について宅建業法で定められた項目を書面を交付し説明させなければならない。
契約に際しての書面の交付
宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買、交換に関して、自ら当事者として契約を締結した場合は相手方に一定の事項を記載し、取引主任者が記名押印した書面の交付が義務付けられている。なお、当事者を代理した場合は相手方および代理依頼者に、その媒介による場合は各当事者に行う。
コンバージョン【Conversion】
建物の使用用途の変更を意味する。日本ではオフィスビルの過剰供給に伴い、集合住宅に転用することが注目を集めている。

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その他の不動産関連用語

サブリース【Sublease】
賃借人が第三者に転貸すること。
スケルトン賃貸方式
日本では、飲食店や物販店舗用途の建物を賃貸する場合、最終使用者に引き渡される手法として「スケルトン貸し」が普及している。目的は、どのような用途(例えば店舗等)に使うのかにより、内装や設備の装備を容易にするためである。よって建物を新築する場合、完了検査までに全ての店舗が決定していない場合、仕上がった部分から使用開始が可能な仮使用承認制度が活用されているケースが多い。従来このような店舗に限られていたスケルトン貸しの手法が、その目的とする建物内装の自由度に着目して、分譲マンションや賃貸オフィスにまで広がりつつある。分譲マンションの分野では、購入者に間取りや内装の自由度を与えることが商品価値となりつつある。賃貸住宅では、間取りや内装を標準化する方が、入居者確保が容易であり、賃貸借期間との関係でもスケルトン貸しのニーズは低い。一方、賃貸オフィスビルの分野では、標準内装で仕上げられた部分を、受付や応接、会議室、役員室、リフレッシュコーナーやカフェテリアなど事務室以外の用途に使われるスペースの内装やりなおし工事が頻繁に行われている。一度も使われないまま捨てられる資材の問題や、内装の自由度向上による個性的なオフィスづくりなどのニーズもあり、米国の賃貸オフィスでは「コア&シェル」貸し(スケルトン貸し)が基本となっている。日本でもビルの構造と設備や内装など寿命や利用目的の異なる部分を分離して設計することで、最終用途のニーズに対応しやすく、また将来の用途変更をも容易にするということでスケルトン貸し方式が注目されている。

実例として「クオータースケルトン貸し」という名称で、オフィス内装の一部分が未仕上げのまま入居者に引き渡される方法が登場しており、廃棄物削減や内装自由度の向上、内装施工時間の短縮など高い評価を得ている。また、新築ビルが完成する早い段階で成約した入居者には、ビル本体工事と同時施工で内装仕様など要望を取り入れるケースも多い。既存ビルでも原状回復費用を金銭精算しておき、原状回復工事と入居工事を同時施工させるなど、時間とコスト削減に対する意識が高まっている。
セットバック【Setback】
道路幅員の確保や斜線制限対策のために建築物の外壁を敷地境界線などから後退させて建てること。
大規模小売店舗立地法
平成10年に制定され、平成12年6月から施行されている。「大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の生活環境の保持のため、大規模小売店舗を設置する者により、その施設の配置および運営方法について適正な配慮がなされることを確保することで、小売業の健全な発達を図り、国民経済および地域社会の健全な発展ならびに国民生活の向上に寄与すること」が目的。施設が立地することによる環境への影響を審査基準としている点が、これまでの大店法と大きく違う。審査対象は、「駐車・駐輪場」「交通安全」「騒音・排気ガス」「廃棄物」などで、対象となる店舗の基準面積は、1,000m²超である。
根抵当権
継続的な取引関係から生ずる多数の債権を、将来の決算期においてあらかじめ定めた一定の限度額まで担保することを目的とした抵当権。被担保債権の範囲、債務者および限度額は必ず定めなければならず、設定契約の内容の変更は、登記をしなければ効力を生じない。
レインズ(不動産情報流通システム)【Real Estate Information Network System】
リアル・エステート・インフォメーション・ネットワーク・システム(不動産情報流通システム)の略。指定流通機構のコンピュータと会員業者に設置された端末機がオンラインで結ばれており、希望する物件情報を随時取り出すことができる。
新耐震設計基準
1981年6月に宮城県沖地震での経験をふまえて、建築基準法施行令が大改正された。これが通称「新耐震設計基準」といわれる。建築確認は新耐震設計基準によらねばならなく、これ以降の建物を新耐震ビルと呼ぶ場合もある。震度6程度の地震が起きても、倒壊を防ぎ、圧死者を出さないことを目標としている。具体的には、コンクリートの柱の中に、補強する鉄筋の間隔を短くして入れるなどして、建物の「骨組み」の崩壊を防ぎ、人命を守る考え方がベースとなっている。
避難安全検証法
2000年の建築基準法の改正にあたり、建築物の避難安全に関して従来の仕様規定に加え、新たに性能規定が追加された。これまでは法令で定められた一律の仕様規定であったが、この法により安全面を検証し一定の性能を満たせば、材料や設備、構造など自由度を確保した設計の採用が可能となった。避難規定には、従来の仕様規定である「ルートA」と新たに追加された性能規定「ルートB」「ルートC」の3つの種類がある。「ルートA」は、一律に定められた従来の仕様規定に合致した方法で、地方自治体の建築主事が確認を行なう。「ルートB」は、政令や告示で定められた計算式によって安全性を検証する方法で、「階避難安全検証法」と「全館避難安全検証法」の2つに分類される。「階避難安全検証法」とは、火災が発生した場合、その階のすべての人が直通階段まで避難を完成するまでに、煙やガスが避難上支障のある高さまで降下しないことを検証するものである。一方の「全館避難安全検証法」とは、火災が発生した場合、在館者のすべての人が、地上までの避難を完了する間に、煙やガスが避難上支障のある高さまで降下しないことを検証する。「ルートA」同様に建築主事が確認を行なう。
「ルートC」は、告示で定められた計算式を用いずに避難安全性能を証明する方法。具体的には、コンピュータを使っていくつものシミュレーションを行なう、避難時の行動を予測し安全性を検証するなど。「ルートC」に関しては、建築主事の確認だけでなく、国土交通大臣の認定が必要になる。
従来、建築基準法の防災に関する規定は、詳細に仕様が規定されており、決められた基準に沿って設計が必要だったが、同法によって避難安全が確認できた場合は、一部の排煙口や防煙垂壁などの排煙設備が不要となるため、工事費や管理費の削減が可能になる。それに併せて、外観や内装の制限が緩和されるため、設計プランの自由度が高まるといったメリットがある。
抵当権

1. 抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲

改正前の民法では、抵当権の効力は、原則として抵当不動産の果実に及ばず、例外として抵当不動産の差し押さえ後にのみ及ぶとされていた。しかも、この果実は、天然果実のみをさし、法定果実(例:家賃収入)を含まないと解されてきた。
改正により、抵当権の効力は、抵当権で担保されている債権について債務不履行があったときは、その不履行後に生じた果実(法定果実を含む)に及ぶこととなった。これにより、債務不履行があった場合、抵当不動産の占有を設定者から裁判所が選任した管理人に移し、抵当不動産の収益(例:賃貸料)から抵当権者が弁済を受けることが可能になった(担保不動産収益執行制度)。

2. 抵当権消滅請求

改正前は、抵当不動産の第三取得者が、抵当権者に一定の金銭を提供して、抵当権を消滅させる滌除(てきじょ)という制度があった。改正法は、この制度の名称を「抵当権消滅請求」と改め、内容も簡素化した。
抵当不動産を取得した第三取得者は、その代価または一定の金銭を抵当権者に提供して、抵当権消滅の請求をすることができる。この請求は、抵当権の実行としての差押さえの効力発生前にのみ可能である。
抵当権者が、第三取得者の提供額に不満のあるときは、抵当不動産を競売してその競売金から債権の回収を図ることになる。抵当権者は、第三取得者から抵当権消滅請求を受けた後2ヶ月以内に競売の申し立てをしないときは、第三取得者の提供額を承諾したものとみなされる。抵当権者が第三取得者の提供額を承諾し、かつ第三取得者がその承諾を得た金額を払い渡し、またはこれを供託したときに、抵当権は消滅する。

3. 一括競売

旧法では、更地に抵当権を設定後、その設定者が抵当地に建物を築造したときは、抵当権者は、土地と建物を共に競売することができた。改正法では、更地に抵当権設定後、設定者以外の者が抵当地に建物を築造した場合も、一括競売ができることとなった。
ただし、その建物の所有者が抵当地の占有について抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、一括競売を行うことはできない。すなわち、Aの更地にBの抵当権が設定された後に、Aがこの土地をCに賃貸してCが賃借権の登記を備え、かつCが抵当権者全員の同意を得てCの賃借権が先順位の抵当権に優先する旨の同意の登記を経たときは、もはやBは一括競売することができない。

4. 短期賃借権の保護の廃止

改正前の民法では、短期賃貸借権(山林10年、土地5年、建物3年以下)は、抵当権の登記後に登記したものであっても、抵当権者に対抗でき、抵当権の実行としての競売がなされても、当該期間は賃借し続けることができた。改正法により、この短期賃貸借権の保護制度は廃止された。
短期賃貸借権制度が廃止された代わりに、新しい賃貸借制度が創設された。すなわち、抵当権設定登記に後れる賃借権であっても、その設定についての登記がなされ、かつ、その登記前に登記したすべての抵当権者の同意を得て、その同意についても登記したときは(前掲(3)参照)、賃借権者は、当該抵当権者及び競売における買受人に対抗できるようになった。この同意の登記後に、抵当権者が抵当権を実行して競売がなされた場合、買受人は、賃借権の負担のついた物件を買い受けることになる。

5. 建物使用者の保護

短期賃借権制度の廃止により、抵当権に遅れる賃借権は、その期間の長短に関わらず、同意の登記等がない限り、抵当権者と競売における買受人に対抗することができなくなった。その代わりに、建物の賃借権に限り、一定期間内に限り賃借人が保護されることとなった。すなわち、抵当権者に対抗できない賃貸借により抵当権の目的たる建物を使用収益するものであって、下記の1.または2.の要件に該当する建物使用者は、建物の競売があっても、買受人の買受のときから6ヶ月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡さなくてもよいことになった(建物明渡猶予期間)。
  1. 1. 手続きの開始前から当該建物の使用収益を行っている者
  2. 2. 制管理または担保不動産収益執行により、当該建物の管理人が競売手続きの開始後に行った賃貸借によってその建物の使用収益を行う者。
建物使用者は、6ヶ月間はその建物を買受人に引き渡さなくてもよい。しかし、その間の建物使用料は、買受人に支払う必要がある。この支払いを怠る建物使用者に対しては、買受人は、買受の時から建物の使用の対価について、相当の期間を定めて1ヶ月以上の支払いを催告することができる。その相当の期間内に支払いがないときは、明渡猶予期間は終了する。
都市計画法
都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することが目的。「都市計画の内容及びその決定手続き」「都市計画制限」「都市計画事業」「そのほか都市計画に関し必要な事項を定める」。1968年に旧法が廃止され、同じ名称の法律が新たに制定された。以来、現在まで各種の改正がされており、直近では都市の秩序ある整備を図るため、準都市計画区域制度の拡充、都市計画などの区域内における大規模集客施設の立地に係わる規制の見直し、開発許可制度の見直し、そのほか都市計画に関する整備を主眼とした一部改正が2006年5月に公布、2007年8月に施行されている。
建築基準法【Building Code】
建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて国民の生命、健康及び財産の保護を図り、公共の福祉の増進を目的とした法律。1950年5月公布、11月施行以来、社会情勢の変化により様々な改正がなされてきた。直近では耐震偽造に端を発して、その再発防止、法令順守の徹底、建築物の安全性に対する国民の信頼回復などを目的に一部改正が行なわれており、2007年6月に施行されている。
建築基準法の法体系は、三つの要素から成る。一つは、適用の範囲、原則、制度、手続き、罰則規定といった法令運用上の総括的なもの。残りの二つは「単体規定」と「集団規定」である。
「単体規定」とは、個々の建築物が単体として具備していなければならない構造耐力、建築防火、建築衛生等に関する安全確保のための技術基準。一方、「集団規定」とは、建築物の集団である街や都市において、安全で合理的な秩序を確保するための規定をいう。建築基準法に適合しているかは、建築主事が建築確認を行なって判断をする。
石綿による健康被害の救済に関する法律
石綿(アスベスト)は、繊維状の鉱物で、耐熱材、耐火断熱材、絶縁材、耐火建材、保温材、断熱材、吹きつけ材など、幅広く長期間にわたり、建築材料などに大量に使用されてきた。しかし、その繊維を吸い込むことは人体に有害であり、発病まで長い期間を経過する場合もあることが判明。そのため、石綿による被害の特定が極めて困難なことから、何ら保障を受けられないケースも多く、現在での使用はなくなりつつある。
石綿の吸入による健康被害が社会問題となったことを発端に、医療費の給付などで被害の救済や遺族への特別給付金の支給を行なうために「石綿(アスベスト)による健康被害の救済に関する法律」が制定された。2006年2月10日(法律第4号)。同年3月27日に施工。この法律の目的は、以下、第一条に明記されている。(第一条)石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し、医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。
建築物の耐震改修促進法
この法律は、1995年に法律第123号によりできているが、その目的は第一条に明記されており、「自身による建築物の倒壊等の被害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、建築物の耐震改修の促進のため措置を講ずることにより建築物の地震に対する安全策の向上を図り、もって公共の福祉に費すること」とされ、建築物の耐震判断や耐震改修の促進、建築物の所有者に対する指導などの強化、建物所有者などの費用負担の軽減、助成制度や税制などの関連する支援制度の充実などを図るために、2006年1月26日(施行)より改正された。
改正により、住宅の耐震率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、約75%から、2015年までに少なくとも90%にすることを目標としている。その実現に向けて、地方、国民それぞれの役割を明確に規定。地震に対する建築物の安全性を確保することは「国民の努力義務」とし、都道府県は建築物の耐震判断及び耐震改修の促進を図るための計画を定める、市町村は建築物の耐震判断及び耐震改修の促進を図るための計画を定めるよう努める、など地域の実情に応じた耐震改修の計画を作成することが義務付けられた。なお、これまでは自治体ごとに耐震診断や耐震改修に関する補助・融資制度などを行なっていたが、この法律により全国的に展開されることとなった。建築物の耐震判断をする場合、所有者の負担は1/3(残り2/3は国、自治体から補助・交付金を受けられる)、事業者が行なう特定建築物の耐震改修工事の費用について10%の特別償却、など支援制度が設けられた。

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不動産金融・投資用語

CMBS【Commercial Mortgage Backed Securities】
アメリカを代表するデット型の不動産投資商品で、日本では商業用モーゲージ担保証券と訳される。金融機関が保有するオフィスビルやショッピングセンターのような商業用不動産を担保にしたローンを集めてプール。リスクおよびリターンの異なるいくつかの部分に分けて、それごとに違う格付の債券に組成して発行する。
DCF法【Discounted Cash Flow】
分析対象不動産について、分析期間(保有期間)における純収益の流れを一連のキャッシュフロー(分析期間末の復帰価値に関わるものを含む)で表す分析手法のこと。対象不動産のDCF法による価格とは、分析期間中の不動産の運用に関わる一連のキャッシュフローと分析期間末の復帰価値を現在価値に割引き、これらを合計したものをいう。
DSCR【Debt Service Coverage Ratio=デット・サービス・カバレッジ・レシオ】
LTV同様に証券化の優劣を見分けるための指標。年間の元利返済に対する年間の純収益の割合を数字で表したもの。一般的には年間純収益÷年間元利返済金で求める。例えば年間1000万円の純収益を確保できる不動産に対して、年間元利返済額が800万円の場合、DSCRは1000÷800=1.25となる。
J-REIT(不動産投資信託)【Real Estate Investment Trust】
これまで個人の投資家が上場不動産会社株に投資をする場合、配当利回り(インカムゲイン)には期待せずにその値上がり益(キャピタルゲイン)を期待するというのが一般的だった。それに対して、投資信託や投資法人が個人の運用資金を集めて不動産に投資し、その運用や売却によって生じる収益を配当する仕組み。
「~投資法人」と名付けられた法人もしくは信託(REIT)が、オフィスビルやショッピングセンター、それにマンションなどの収益不動産を保有。投資家は、このREITの株や信託受益権を購入する形で投資を行う。REITの投資単位は一口30万円台から90万円台で購入できる。また、複数のREIT等に投資するファンズオブファンズでは、一口1万円から購入可能な商品もあり、個人の投資家も気軽に参入できる。
LTV【Loan to Value=ローン・トゥー・バリュー】
SPCを使って不動産を証券化する際に、簡単に証券化商品の優劣を見分けるための指標の一つ。物件の価値に対する借入金に代表される負債の割合を表す数値で、通常は負債額を物件価格で割って算出する。例えば1000万円の価値のある不動産のうち、800万円が借入金の場合、LTVは800÷1000=80%となる。
NPV【Net Present Value】
不動産に投資する際に、投資額と将来の入金額の現在価値の合計額を比較して、投資家が求める投資利回りよりも有利か不利かを判断するための指標で、純現在価値と訳される。NPVがゼロまたはプラスであれば、その投資は有利と考えることができる。
NPVは以下の計算式で求められる。
SPC(特別目的会社法に基づく法人)【SPC:Special Purpose Company】
SPCは不動産などを譲り受け、有価証券を発行して資金を調達するために設立される会社。通常、株式会社を設立するには1千万円が必要だが、SPCの最低資本金は10万円、取締役も1名でも設立が可能である。投資家に払う配当金を損金扱いでき、不動産取得に絡む税制の優遇を受けられるなど1998年に法律が成立し、2000年に最低資本金が300万円から現在の10万円に改正された。
証券取引法上の有価証券である特定社債と優先出資証券が発行できる。証券発行上の便宜上の器に過ぎないため、不動産の管理運営は外部に委託するよう定められている。SPCは不動産の所有権や信託受益権を取得する方法が取られる。証券化されたビルを賃借する際の法律は、従来と何ら変ることはない。ただし、SPCが直接貸主にならない転貸や土地信託などによるケースもあるため、その際はそれらに関連した権利関係の法律が適用されることになる。
SPV【Special Purpose Vehicle】
証券化する時の資産を保有する器、証券を発行する発行体の役目を持つ。最大の目的は、証券化の対象となる原資産を最終的に有価証券の形に変換させることである。
プロジェクトマネジメント【PM:Project Management】
スケジュール管理からコスト管理、品質管理、情報管理、設計・工事管理、リスク管理、変更管理など、特定の建築事業活動全般を最善の方法でマネジメントを行う業務。自社内で行なう場合と外部に委託して行なう場合がある。近年では、プロジェクトのための人員確保の問題や業務に求められる専門性の高度化などの理由により、外部にアウトソーシング化するケースが増えている。その場合、プロジェクトマネージャーは、発注者の立場に立って、公正な視点で透明性のある評価基準を持つことが要求される。
コンストラクションマネジメント【CM:Construction Management】
特定の建設プロジェクトの計画から設計、施工、管理までを含め、施設の建設生産プロセスに関する業務のこと。発注者の立場で、「効率的」「経済的」にプロジェクトを推進し、予算内のコストで、品質を下げることなく、予定の工期内に建築物を完成させるためのマネジメントを行なう。簡単に言えば、プロジェクト管理の中で、必要とされる施設の建設行為に特化したマネジメント業務といえる。
キャッシュフロー【Cash-flow】
売上げや利益よりもお金の流れそのものを重視する考え方。「一定期間中に企業活動で得たお金から、諸経費、税金、その他の支出を差し引いた後に、企業の手元に残るお金」のこと。
サービサー【Serviser】
貸出債権の管理・回収を通して、キャッシュフローのマネジメントを行なう専門家のことで、業務内容によって、原債権の元利金の回収事務代理業を一手に担当する「マスター・サービサー」と遅延債権やデフォルト債権の管理、抵当流れになった担保不動産の管理・回収業務を専門に行なう「スペシャル・サービサー」に分類される。
デット【Debt】
社債や借入金、債務もしくはローンのことを意味する。デット投資家は、不動産から得られる収益から、まず優先して元利金の償還を受けられる。キャッシュフローは安定しているが、当該不動産の値上がり益を取ることはできない。
デューデリジェンス【Due Diligence】
「担保不動産の売却、不良債権の一括売却、証券化等のための収益還元法の活用等による債権並びに不動産の適正評価手続(デューデリジェンス)の確立」として、デューデリジェンスという言葉が定着した。米国では不動産取引で契約締結後の一定期間内に、買手が対象不動産について法律・建築・経営・環境といった多面的な角度から詳細な調査が行われている。この調査をDue Diligence Review、調査の期間のことをDue Diligence Periodと呼ぶ。Dueは適正な・公正なの意、Diligenceは注意を払って遂行するの意。つまり「適正で万全の注意を払って遂行される審査」を意味する。「適正評価手続」と訳されているが、「公正精密審査」または「適正詳細調査」が正確といえよう。デューデリジェンスの内容は多岐にわたるが、法律上の調査、建築構造・設備の調査、経営上の調査、環境上の調査などが主なものである。これらの業務は、投資家がその分野ごとに弁護士、会計士、建築士、経営コンサルタント、不動産鑑定士等の専門家に委託して、あるいは彼等と共同で実施するものである。
ポートフォリオ【Portfolio】
投資リスクを分散するために、別々の入れ物に数種類の資産を分散させて入れること。投資運用をするポートフォリオ・マネジャーは、適時に資産の入れ替えをして最高の投資パフォーマンスを目指している。
会社型投信
投資口(株式に相当する投資単位)を発行して投資主(株式に相当)から集めた資金を規約(定款に相当)に定めた運用対象および運用方針に従って、証券投資法人から委託を受けた運用会社が、主として有価証券で運用する投資信託のこと。
格付【Rating】
企業が発行する社債や国が発行する国債の元利金が、約定通り償還されるかどうかについて、そのリスク度合いを特定の記号で表したもの。特定の記号は格付機関によって多少異なる。
組合
民法上の任意組合と商法上の匿名組合とに分類される。民法上の組合契約とは、複数の当事者が出資を行ない、共同事業を営むことを約束する契約のこと。この共同事業から生じた権利・義務は、直接当事者に帰属するため当事者レベルでの課税しかなされない。一方、匿名組合契約は、契約の片方の当事者が相手方の営業のために出資をして、その営業から生じる利益を分配することを約束する契約のこと。この場合、特に定めがない限りは、当初の出資額を超える負担を負うことはない。ただし、三者以上の当事者と契約することはできない。
時価会計
企業の持っている株式や社債、不動産などの資産を「決算期での市場価格(=時価)」で評価するしくみのこと。従来では企業の保有する資産を「取得した当初の価格」で帳簿上に記載していたため、たとえ取得後に資産価格が大きく変動しても帳簿上では明らかにされなかったが、「時価会計」導入によって、「企業が現時点で実際にいくらの資産を持っているのか」という正確な企業財務の状況を知ることができるようになった。
投資利回り
投資によって得られる収益の大きさ(収益率)のことだが、計算方法は統一されているわけではない。差損益を考慮しない利回りを直接利回りといい、債権を償還まで保有することを前提として、債権の購入価格と償還価格の差額も含めて計算した利回りを最終利回りという。
不動産特定共同事業
当局によって許可された不動産会社が事業主体となって複数の投資家から出資を募り、不動産賃貸事業等に共同投資する事業のこと。不動産会社と投資家との共同事業の形をとるためシンジケーションと呼ばれる投資形態となる。
マスターリース【Master Lease】
不動産賃貸借の契約形態のひとつ。オリジネーター(資産の所有者または企業)が所有権を信託譲渡した信託銀行より、自ら賃借人として新たに賃借すること。この場合の、オリジネーターと信託銀行との間のリース契約をマスターリースと呼ぶ。
耐震構造
設計、施工に際して地震や強風などの力に耐えられるように設計された建築物の構造。「耐震」が地震力に耐える構造に対し、「免震」、「制震」は地震力を低減させるという構造の違いがある。
制震構造
地震などによる振動エネルギーを制御・抑制する装置を設けた構造。制震構造には、揺れを吸収する装置を建物に設置する「パッシブ制震」と油圧式や電気式の駆動装置を建物に設置する「アクティブ制震」などがある。
免震構造
揺れを小さくする効果のある装置を設置し、地震の影響をやわらげる構造のこと。水平に柔らかく動くバネの原理で揺れを伝えにくくする積層ゴムや振動エネルギーを吸収するダンパ(振れ止め)を建物と基礎との間に使用するタイプが多い。免震構造に必要な機能として以下の3つがあげられる。
  1. 1. 荷重支持機能(建物を耐用年数まで安定して支持する機能)
  2. 2. 水平復元機能(建物の揺れをゆっくりとした動きに変えて、地震後に元の位置に復元する機能)
  3. 3. 減衰機能(建物の振動と反対方向に働く力によって振動を抑制する機能)
鉄骨構造(S造)
柱、梁などの主要な構造部分を、形鋼、鋼管、鋼板などの鋼材を用いて組み立てた構造で、軽量かつじん性に富み、高層建築などに用いられる。「鋼構造」「S造」ともいう。
鉄筋コンクリ-ト構造(RC造)
柱、梁、床などの主要な構造部分を、鉄筋とコンクリートとで構成した構造。「RC造」ともいう。
鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)
柱、梁などの主要構造部を鉄骨と鉄筋とコンクリートで構成した構造。「SRC構造」とも呼ばれる。
壁構造
壁体、床版など塀端的な構造体のみで構成してゆく構造方式。柱、梁を主体とする構造(ラーメン構造)と異なり、高層化には難があるが、中低層には適する方式。「壁式構造」ともいう。
剛構造
RC造・SRC造のように建物全体を一体的に剛にした構造で、耐震壁を有効に設け、外力に対し変形しにくくしているが、受ける地震力は大きい。一般的に31m以下の建物は剛構造である。
柔構造
建物の固有周期を長くすることで、受ける地震力を小さくして地震に抵抗させる構造で、上部構造として鉄骨(S)造を用いる。超高層建築のほとんどは柔構造である。
スケルトン【Skeleton】
建物の骨組み、透明性に富んだ空間。
スパン
支柱から支柱までの間隔。開口部の広さを示す。
スラブ
圧延鋼材のうち、原板・中板の材料となる半成品。鋼塊または鋼片を偏平形に粗圧延したもの。垂直荷重を受ける板状の部材であるが、通常、鉄筋コンクリートの床をさす。
スリーブ
配管やダクトを梁や床を貫通させる場合に、あらかじめ、梁や床に穴を設けるためのさや管。矩形の穴を空ける場合の木枠は箱という。
乾式スプリンクラー
配管内の凍結を防止するために使用されるスプリンクラー設備。閉鎖型スプリンクラーヘッド、乾式流水検知装置、加圧送水装置、エアーコンプレッサー、水源および配管弁類などから構成される。常時低圧の空気によって充満されているため、凍結の防止を可能にしている。
湿式スプリンクラー
スプリンクラー設備のうち最も一般的な設備で、閉鎖型スプリンクラーヘッド、湿式流水検知装置、加圧送水装置、水源および配管弁類などから構成される。スプリンクラーヘッドが取り付けられる末端配管部分まで常時充水している。
リノベーション【Renovation】
建物の更新のための工事。通常の修理より大がかりな化粧直しのことで、外壁の補修、建具や窓枠の取り替え、設備の更新を含む。単なる内・外装や設備などを新しくするリフォームと分けて考えることが多い。
令8区画
消防法施行令第8条に規定する開口部のない耐火構造の床または壁の区画のこと。令8区画については、以下の基本的な考え方に適合するか否かを確認することが必要であり、「消防防災用設備等の性能評価について」に基づき、個々に性能評価を行うこととしている。
1. 令8区画の構造
* 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造またはこれらと同等に堅牢かつ容易に変更できない耐火構造である。
* 建築基準法施行令第107条第1号に定める通常の火災等の加熱に耐える時間が2時間以上の耐火性能を有する。
2. 令8区画を貫通する配管等について
* 配管の用途は、原則として給排水管であること。
* 配管の外径は200mm以下であること。
* 配管を貫通させるために令8区画に設ける穴が直径300mm以下となる工法であること。なお、当該貫通部の形状が矩形となるものにあたっては、直径300mmの円に相当する面積であること。
* 配管を貫通させるために令8区画に設ける穴相互の離隔距離は、当該貫通させるために設ける穴の直径の大なる方の距離(当該直径が200mm以下の場合にあっては、200mm)以上であること。
* 配管等の耐火性能は、当該貫通する区画に求められる耐火性能時間(2時間以下の場合にあっては2時間)以上であること。
* 貫通部は、モルタル等不燃材で完全に埋め戻す等、十分な気密性を有するとともに、当該区画に求められる耐火性能時間(2時間以下の場合にあっては2時間)以上の耐火性能を有するよう施行すること。
ニ方向避難
火災時の避難については、二方向の避難経路(階段、バルコニー等)を確保する必要がある。ただし、階段は別々の方向に設けられているべきで、Aの階段に行くにもBの階段に行くにも、ほとんど同じ経路を通る場合は、二方向とはいえないとされている。二方向避難は建築基準法施行令第121条第3項で定められている。
* 第121条第3項ただし書き(大意)
「…直通階段に至る通常の歩行経路に共通の重複区間があるときは、その重複区間の長さは、歩行距離の限度の1/2をこえてはならない」
* 第121条第3項(大意)
「ただし、居室の各部分から重複している歩行距離を経由しないで、避難上有効なバルコニー等で避難することができる場合は、この限りではない」。
カーボン・オフセット
企業が自らの事業で排出する温室効果ガスの削減目標の達成やCSR(企業の社会的責任)を果たすために、他の場所で実現した温室効果ガスの排出量削減や吸収量等で相殺すること。環境省では、2008年に「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」を発表している。日本では、まだ検討の途上にあるが、EU諸国、米国、豪州などで実施例がある。
カーボン・オフセットの方法として、植林による温室効果ガス吸収量を確保して相殺する、あるいはグリーン電力証書(風力・太陽光など自然エネルギーで発電された環境付加価値を証書として取引する)を購入するなど、様々なものが検討されている。一方で、自らの本業で排出量削減の努力をせずに、他の場所での努力で相殺していたのでは、全体の排出量は削減されないという指摘もある。
LEED(リード)
非営利団体の合衆国グリーンビルディング審議会(U.S. Green Building Council)が推進している建物の環境効率レイティング制度のこと。LEEDとは、Leadership in Energy and Environmental Designの頭文字に由来する。
建物の環境対応性をさまざまな視点から評価し点数を与える制度だが、法律ではなく、民間主導のコンセンサスが基本となっている点が特徴の一つである。とはいえ、米国では2007年10月時点で2,000件以上の登録(新築・改修・増築が対象のLEED-NCのプロジェクト件数)があるように、米国を本拠とするグローバル企業、連邦政府・州などの公共施設にも普及している。また主要都市での一定規模以上の建物にはLEED認定を義務づけしている例もある。
もう一つの特徴は、建物の運用状況も評価対象にしている点で、既存建物の運用やメンテナンスを評価する仕組み(LEED-EBOM)がある。
LEEDは、建物の種類や状況に応じて評価カテゴリーが細かく分かれている。先述したように法律ではないので、新しいアイデアを取り入れたバージョンが試され、検討され、更新されている。
ある点数以上を獲得すれば認定証を得られるが、それには必ず要求事項を満たしていなければならない仕組みになっており、一定の品質を確保していない建物には認証を与えない点も特徴である。点数によって、「LEED認定」から「LEEDプラチナ」まで、四つの総合評価段階が設定されている。
この評価のために、LEED AP(Accredited Professional)という有資格者が評価に加わる仕組みがあり、LEED AP有資格者はすでに5万人以上にのぼるという。日本など海外でも、2008年からLEED AP試験を実施するようになった。LEEDについては、弊社発行の「オフィスマーケット」2008年Ⅳ号34~37ページに、より詳細な記事を掲載しているので参照願いたい。
CASBEE(キャスビー)
Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiencyの頭文字をとったもので、日本における「建築物の総合環境性能評価システム」のこと。先の項で述べたLEEDと同じく、建物の環境性能を表示するものである。国土交通省の支援のもとに産官学が共同して開発した。2002年に新築向け評価マニュアルが発表され、以降、戸建系、既存建物系、改修建物系、まちづくり系など多様な建物と建物群を対象とする評価マニュアルが整備され、「CASBEEファミリー」と呼ばれている。評価の考え方は、
  1. 1. 建物の環境品質(Q)の評価項目(室内環境・サービス性能・室外環境)
  2. 2. 建物外部環境負荷(L)の評価項目(エネルギー・資源マテリアル・敷地外環境)
の二つの軸からなる。Qの環境品質は高ければよく、Lの外部環境負荷は低ければよいと評価する建物環境効率(BEE)が算定される。Sクラスを頂点とする5段階でクラス分けにして評価される。現在、いくつかの地方自治体では、大規模建築の建築確認申請時にCASBEE評価を義務づけ、その結果を公表して、申請者の希望があれば認証書を交付している。
IDF(中間配線盤)【intermediate distribution frame】
電話回線数が多く端子箱では収容できない場合に使用するものを配線盤という。また、ビル内で中間に設ける配線盤を中間配線盤という。
MDF(本配線盤)【main distribution frame】
局線の引込み及び構内交換機から構内線路に至る最初の配電盤のこと。引込みケーブルの終端、変換機回路、構内線路、試験弾器、避雷器弾器などを収容し、壁掛け形と自立形がある。
光ケーブル
電気信号を光の強弱によって転送するもので、髪の毛よりも細いガラス繊維またはプラスチックからできている。光ファイバーは導線に比べて高速かつ大量のデータを少ない損失で伝送することができ、また電磁誘導を受けないという利点を持つ。デジタル通信の主役として広く用いられているが、導線と異なり電流を流すことができないため、必ず別途に電源を必要とするという弱点もある。
受電方式
特高変電所の受電方式は信頼度、経済性に対する評価によって決定する。その場合、電力会社の地域的な送電系の方式によって合わせることになるため、最終的には受電者と電力会社の競技によって決める。代表的な例は下の通り。
受電盤
受電に必要な機器類(遮断機、継電器、計器など)を取り付けてある配置盤。
動力設備
建築電気設備の中で、建物に設置される各種電動機の電源、制御用の盤および配線等の設備。
幹線
変電室の配電盤から分電盤、制御盤までの大電流配線。「フィーダ」ともいう。
蓄電池
2つの電極と電解液で構成され、電池内の化学反応が可逆性があり、充電と放電を繰り返し行える電池。鉛蓄電池、アルカリ蓄電池などがある。「バッテリー」ともいう。
自動火災報知設備
火災により生じる煙りまたは熱を自動的に感知し警報を発する設備で、感知器、受信機、発振器、表示灯、音響装置、配線などで構成されている。「火災報知器」ともいう。
制御盤
電動機などの制御に必要な各種開閉器、継電器、計器その他の機具を鋼板製の箱に納めたもの。
分電盤
鋼板盤の箱の中に母線、分岐回路用過電流保護器などを組み込んだもの。幹線から配線を分岐する箇所に設ける。用途に応じて電灯用、動力用などがある。
UPS【Uninterruptible Power Supply】
基本的にはバッテリを利用して停電などの電源障害時に交流を供給する装置をいう。金融機関の計算センターから(発電機と組み合わせてビル全体をバックアップする場合もある)企業サーバー、パソコンに至るまで、UPSが必要とされている。
CVCF【constant-voltage constant-frequency power supply unit】
計算機システムへの電源供給設備の一種で、入力変動や出力負荷の変化に関係なく、出力の電圧および周波数を一定に保つ装置。回転式と制止形がある。
発電機
駆動装置に直結して、駆動装置の回転力により発電んする装置。磁界の中でコイルを動かす(回転する)ことにより起動力を発生させる。
ワット
電気エネルギーが1秒間になし得る仕事の量を電力といい、電力はPと符号し、その単位はワット(単位記号はW)で示される。1ワット(W)とは1ボルト(V)の電圧の間を1アンペア(A)の電流が流れるときにする仕事量。

1W≒1V×1A

ビルディングオートメーションシステム【Building Automation System】
空調設備、電気設備、給排水衛生設備、防災・防犯設備および機械設備(エレベータ等)を総合的に管理するシステムのことで、先端的な情報処理、通信技術が適用されている。運転制御機能、監視・表示、記録機能、計測機能、データ処理機能などにより、室内環境の快適化、省エネルギーの実現、防災・防犯設備の監視、建物管理の省力化などに効果が高く、インテリジェントビルが備えるべきシステムの一つとされている。略称「BAS」。
分散型電源システム
ゴミ焼却発電、コージェネレーション、小水力発電、太陽光発電、風力発電等、電力消費地に分散して設置する電源設備をいう。
ルーバ
ランプの下面に取り付ける格子状の遮光板。ある範囲外ではランプからの直接光を遮る役目をする。
輻射式冷暖房
熱は温度の高い方から低い方へ伝わるという自然の原理を利用した空調方式。暖房の場合は、天井に設置したパネルに温水を流すことで、人間体表面の熱放射量を少なくさせ、暖かさを伝える。その場合、温度の低い床や壁などにも熱が伝わるため、室内空気も均一に暖めることができる。逆に、冷房の場合は、パネルに冷水を流すことによって、冷やされた天井が、人間の身体や高温となった室内壁の熱を吸収。夏にトンネルに入ると身体が涼しく感じるのと同様に、快適な室温を実現できる。
長時間にわたって快適さを求めるオフィスビルや学校、研究所、安らぎが必要な病院やホテル、静かさを求める図書館や美術館などが輻射式冷暖房に適している。
セントラル方式(中央方式)
熱源機器や空調機をできるだけ中央に集中した空調方式。保守管理が容易で、スケールメリットが生かせて安価となる。
クーリングタワー(冷却塔)【Cooling Tower】
冷却塔のことで、水冷凝縮器の冷却水を捨てずに、何回も繰り返して循環使用できるようにする役目を果たす装置をいう。水を効率良く冷却させるために、送風機を設けて塔内へ大気を強制的に取り入れるとともに、充てん材によって空気と水ができるだけ長く接触するようになっている。
各階ユニット方式
多層建物において、空調機を各階に設置する方式。防災上有利であり、また貸事務所などの場合の運用が便利である。
二管式
冷温水コイルへ往きと返りの2本の配管が接続される配管方式。短時間のうちに冷房と暖房を切り替えられない欠点があるが、経済的であり、広く使用されている。
四管式
冷温水コイルへ、冷水と温水をそれぞれ独立して供給し、還水管も冷水と温水を独立させる空調配管方式。コイルに4本の配管が接続される。負荷が冷房から暖房へと急変する箇所や、ファンコイルユニットごとに冷房や暖房要求が異なる場合に適するが、設備費が高い。
空気調和機【Air Handling Unit】
送風機、温度調節用熱交換機、加湿装置、空気ろ過装置等を一つのケーシング中に組み合わせて収容。所定の温湿度の空気を供給する装置のこと。
定風量単一ダクト方式【CAV】
吹出し口から出る風量は一定とし、吹出し温度を変えることによって冷暖房能力を調整する空調方式。前後の圧力差変動にもかかわらず、風量を一定に保つ目的で定風量装置を用いる場合がある。
可変風量単一ダクト方式【VAV】
吹出し口から出る温度を一定とし、吹出し風量を変えることによって冷暖房機能を調整する空調方式。個別制御がしやすく、搬送動力も減らせて省エネルギー的であるが、設備費は割高となる。
可変風量ユニット
ダクトの管末(ターミナル)に設置して、室内の温度条件に合わせて風量をコントロールするユニットのこと。原理的には、バイパス型、スロットル型等がある。(図2、3)ユニットによって、イニシャルコスト、ランニングコスト、気流分布、発生騒音等が異なるので、目的に合わせて機種を選定しなければならない。
ダンパ
ダクト内を流動する空気量を調節し、また遮断するために設ける可動板のこと。ダンパには1枚の板を中心に回転軸を有する回転式の蝶形ダンパ(バタフライダンパ)と、複数以上の羽根を用いた多翼ダンパ(ルーバ形ダンパ)に大別され、前者はおもに小型ダクトに用いられる。
パッケ-ジユニット方式
パッケージユニットを使って空調する方式。比較的安価で簡便に空調したい場合や、小さい部屋単位で独立して運転したい場合に採用される。
マルチエアコン方式
1台の屋外機と、複数台の室内機と冷媒配管とからなるヒートポンプユニット。室内機が小型分散配置となり、ダクトが不要、個別制御が可能となる。中小ビルや店舗での使用が多い。
ウォ-ルスル-ユニット方式
壁面に設けた開口にはめ込んで使用する床置き形式の空冷型パッケージエアコン。壁にはめ込んだ大型ルームエアコンとほぼ同様の機能を持つ。
ファンコイルユニット
小形送風機、温度調整用熱交換器、空気ろ過装置を組み合わせて一体とした小形の温度調節空気を供給する機器。
インテリアゾ-ン
建築の平面において、空調域でかつ外壁からの熱的影響を受けない領域。一般的に外壁から3~6mの部分を除外した内側をいう」。
ペリメ-タ-ゾ-ン
建築平面にて、空調域でかつ外壁からの熱的影響を受ける領域。一般に外壁から3~6m内部の部分までをいう。日射や外気温の変動により、この部分の熱負荷は時々刻々激しく変化する。
コージェネレーションシステム
発電システムの廃熱を回収し、冷暖房や給湯に利用する方式。発電と熱供給を別々に行うよりもエネルギーの有効利用がはかれる。
アンダ-カ-ペット方式
ケーブルを床上に露出して布設し、その上に角形カーペット(50cm角)を敷く配線方式。
セルラ-ダクト方式
コンクリート型枠として使用するデッキプレートの溝を、下面から特殊カバープレートを取り付けて配線ダクトにしたもの。
フリ-アクセスフロア方式
電源や情報線が任意の床位置から簡便に取り出せる床構造。床が二重構造となっており、床面は正方形の規格品パネルを敷き並べ、室内から簡単に取り外し、床ふところ配線ならびに取り出しが可能。
フロアダクト方式
断面が長方形または台形の鋼板制の配線用ダクトで、コンクリート内に埋め込んで使用する。コンセント、電話用配線に使用される。
Low-Eガラス
Low-EのEとは、Emissivity(反射)の略。ガラスの表面に特殊なコーティング処理をして、断熱性能や遮断性能を持たせた低反射ガラスのこと。
エアバリア方式
室内側のガラス面下部から室内の空気を吹き出し、ガラス面上部からこれを吸い込む(あるいはその逆)システム。ガラス面とブラインドの間にこもった空気を確実に排気することにより、外気との熱伝導を少なくし、省エネルギーを可能にする。
グリッドシステム天井
欧米で一般的に普及されているシステム天井。従来のライン型天井と比べ、レイアウトの自由度が高くなり、間仕切り変更工事にも容易に対応できる。また、テナント工事が発生した場合に部分的な工事だけですむため、工期の短縮や産業廃棄物の大幅な削減が可能になる。

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